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リノベーションで感じる「建築のリバイバル感」

2022-4-10

和レトロなんて言葉を耳にするようになった。
確かにファッション業界・音楽業界も80年代や90年代のリバイバルブームらしい。
息子もなぜか「忍者ハットリくん」にハマっている。
藤子不二雄Ⓐ先生の死去はショックだった様子。謹んでお悔やみ申し上げます)
数年前に購入したMarshalのスピーカーもどこか懐かしいと感じるのは、上部に組み込んである電源の「トグルスイッチ」や「回転式チューナー」のせいだろうか?

今回、リノベーション物件の設計にあたり”古材の梁や柱をそのまま生かそう”というコンセプトを掲げたが、「生かす」と一言にいっても結果として「ただ残った」になってしまっては意味がない。
それは空間に入ったときに古材が「馴染んでいる」とか「違和感を感じない」ことが前提となる。
しかし、現在主に流通している”手に入りやすく安価な建材や材料”を多く使用すれば恐らく違和感を覚えるだろう…
(せめて境界をはっきり分けられればいいのだが、今回はそうもいきそうにない)
細部ディテールとのすり合わせが極めて重要だ。

今回は数ある細部ディテールより「スイッチ」にフォーカスしたい。
壁面に何気なく設置されるスイッチだが、その存在感は大きい。
↑最近主流のスイッチ(調光機能付き)
↑ちょっと?前のスイッチ
新築で既製品も多く使用される物件ならその存在が浮くこともない。
しかし、古材を生かす空間にはその存在感が何故か強調されるような気がする
現代の大量生産型の”スイッチのデザイン”と”経年変化して風合いをまとった古材”とでは両者主張し合ってしまうのかもしれない。
↑一番右トグルスイッチ
そこで手に入れたのが「トグルスイッチ」だ。
その存在感は逆に主張されるが、ただ上げ下げする無骨なデザインがなんとも懐かしく「古材の梁や柱」とうまくなじんでくれると信じ購入した。

ちょうど量産品に溢れたこの時代には良いアクセントになるのでは?
そんなことを考えていると、建築のディテールにもリバイバルブームが来ていることを感じられずにはいられない。
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