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大工道具でつながる大叔父から学んだこと

2022-5-15

ェおんちゃん
幼い頃そう呼んでいたのは私の祖父(斉藤工匠店 三代目 守)の兄弟。いわゆる大叔父だ。
私にとって大叔父は、父(四代目)や祖父(三代目)とはまた違い、齋藤家(本家)を客観的視点で見てくれる精神的支柱のような存在。
”初めて経験する事”でわからないことや困りごとを相談に行くと、いつも穏やかにユーモアを交えながら相談に乗ってくれた大叔父。
先日その大叔父が他界され、葬儀で上梓された書籍をいただいたので拝読させていただいた。
タイトルは上記画像の通り「振り返れば商愛」
大叔父の考えの根底やルーツが少し見えたような気がしたため、大変僭越ながらこのブログにつづらせていただくこととする。
大叔父も元々は「大工」
斉藤工匠店 三代目である齋藤 守と共にモノづくりに勤しんでいた。
カンナを使わせたら一級の腕前だったと聞いている。
その経験を活かし、大工道具を販売するべく、立ち上げたのが「株式会社 斉藤商会
昭和33年創業以来、”大工ならでは”の視点でセレクトされた道具や刃物、オリジナルで開発された商品が人気を呼び、現在は福島県内に4店舗の拠点をもち営業活動を展開している

「振り返れば商愛」には様々な苦悩もリアルにつづられていたが、一代でここまで大きな会社を築き上げたウツワの大きさに改めて大叔父の偉大さを感じた。
誠実に、迅速に職務を全うするだけではなく、時代の流れや人の心をつかむため、懸命に努力された結果だろう。
しかし、大叔父はその功績を決して誇示することなくその姿勢は常に「謙虚」であった。

そう「謙虚」でいることが何より大切なのだ。…と教えられた気がした。


幼いころから、いつも”気になる言葉”を投げかけて考えさせてくれた大叔父。
いま思えば、”自分の事しか考えてない若かりし自分”を心配してくれていたのかもしれない。

謙虚であること。
人の心を知ること。
人を思い、人に貢献すること。
自分一人で生きているわけではない、社会に生かされていることを認識すること。

”実力や技術があれば生きていける”などと思いあがっていた若い私の心を見透かしていたのであろう。
直接言われた言葉のニュアンスは多少違ったかもしれないが、当時の私はそう解釈した。
そんなことを言われたのがいつだったか定かではないが…
施設に入所したと聞いて以来、直接会話することができなかったこの数年
もう一度位会って話せれば、少しは安心させることができたかもしれない…
そんなことを思うと目頭が熱くなるが、きっとこれからも見てくれているはず。
そう信じ、明日からも「謙虚」に生きようと思うのだ。
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