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無垢フロアを採用する時に考えること

2022-6-19

屈ではなく感覚で気持ちいいと感じること。
住まい造りにおいて非常に重要な要素であるが実際伝えようとすると難しい。
一番ピンとくるのは"足触りの良い無垢フロアに裸足で住まうこと"かもしれない

↑こちらは環デザイン舎 北瀬氏の設計を斉藤工匠店が施工した[あだたらアグリエコステーション]
事務所空間に桧の[無垢フロア]がなんとも贅沢で、竣工見学会時には「是非スリッパなしでご覧ください」と呼びかけられていたのが忘れられない。

床はとくに足で触れる場所…
[無垢フロア]なら自然に気持ちのいい空間になる。

この[無垢フロア]最近のご相談でも要望が多く、斉藤工匠店での採用実績も増えているが施工時は非常に神経を使わねばならない。
ダンボールやビニールなどで梱包されてくる[無垢フロア]
使用する面積や枚数を拾い出し、ピッタリの数量で注文したのでは 足りなくなることは間違いない。
必ず1割程度は ソリやネジレ、節の多さ等の影響で使えない部分が含まれているためだ。
故に現場納品での注文の際は実際の数量より多めに注文することとなる。
(端材の処分費も増加する)
また、無垢板の割り付け・木目合わせ、乾燥収縮を見越した施工など大工技術も要求されることからコストアップの要因でもある。


↑こちらが納品された無垢フロア
梱包されている状態では分からないが、開梱してみるとその状態が露わになる。
あまりにもソリやネジレが多い場合は返品を要求する場合もあるが、無垢の特性上多少の範囲なら施工業者の負担となる。
更に工場生産の複合フローリングより表面に手垢などがつきやすいため 汚れた手で触れることができない。
現場作業をしているとどうしても汚れてしまう指先
汚れた都度 濡れタオルなどでふき取り 常に清潔な指先で施工していくことが求められる。

施工方法も材種や下地の状況等により様々だが、無垢材故に乾燥収縮を見越しての施工を施さねばならない。
具体的にはジョイントの隙間の開け具合(材種により開けない場合もある)、フロアネイル(ビス)の種類・長さの選定、留め付け間隔、接着剤の選定・塗布加減など工場生産品の複合フロアとは似て非なるものなのだ。


とまぁ色々書かせていただいたが、これは[無垢フロア]を採用するとコストがかかるのは事実だということを理解していただきたいため。

逆を言えばそれだけ丁寧に施工されるはず…
一枚一枚丁寧に木の目を見て施工するため、職人も腕が鳴るというもの。
いずれはキズもついてしまうが、それも味となり10年後20年後も愛着を持って大切にすることができる。
コストはかかっても無垢材をおすすめしてしまうのは そんな人の思いが込めれる素材や仕事が理屈抜きで好だということなのかもしれない。

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