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「空飛ぶタイヤ」とリアルな中間検査

2021-11-14

先日コロナワクチン(二回目)接種してまいりました。
副反応出てもデスクワーク位出来るだろうとタカをくくってましたが…
結構な高熱と頭痛が続き、思わずベットへ
しかしながら横になっても眠れるわけではなく、何か時間がもったいなく感じ…
「アマゾンプライムあたりでなんか観れないかなー」と奥さんに相談すると…
チョイスされたのが「空飛ぶタイヤ

イヤーかなり面白かったです!
ネタバレになるので内容は書けませんが、かいつまんで言うと「なぜタイヤが飛んじゃったのか(脱輪事故)」その責任について社会的にもみ消しあう?今の世の中の問題点を鋭く指摘するような映画です。
業種は違えど、自分も「斉藤工匠店の明日はこうなるかもしれない」などと思いながら、主人公の長瀬智也になったつもりで観てしまいました
我々が作る建物も責任逃れがあってはいけない!
何があっても自分で作るものの責任は持ちたいと再確認することができました!


…そうです車の品質を保証するのと同じように「建築物」にも品質を保証する義務があります。
その品質を確認すべく、第三者の目で確認する検査がゴザイまして…

構造や建築物の各部寸法・既定の構造金物の設置など…
これらを現場で「確認申請図書の通り施工されているか?」を第三者の目で確認してもらう「中間検査」
その「中間検査」が先日行われました。



↑こんな感じに羽子板ボルトが付いているか?柱の上、下につける金物が設計通りついているか?筋交いや耐力壁は図面通りついているか?
ナドナドが確認されていきます!

実は今回、施工手順の問題で中間検査時にどうしても付けれないものがありまして…非常に頭を悩ませておりました
今回担当の「ふくしま住宅センター」の検査員の方に相談させていただいたところ、少し困った様子でしたが…
結果的には後日「施工写真添付」にて対応可能との回答。
施工現場サイドの意見を真摯に受け止めていただき、大変ありがたく感じました

マニュアルや法規通りにいかない施工現場もあります。
ただあくまでもマニュアルは、一定の施工品質を確保するためであり…
マニュアル通りに施工手順を踏んでもかえって品質を損ねては意味がないわけです。

そんなときに建築主事や第三者機関である確認審査機関と「なぜ」「どうして」を話し理解していただく場合は、熱意と根拠そして「信頼」がものを言うと思います。
一回でも誤魔化しをするようなことをしていたら「信頼」してもらえません。
今回「信頼」していただいたのも今までの施工を実直に行ってきたからだと思います。

中間検査の間、検査員の方に「斉藤さんは構造計算(許容応力度計算)まで自分でやるの!?」と驚かれましたが
自分で構造計算をして確認図面作図して、現場で金物つけてる。
この一貫設計・施工体制も「信頼」される要因であったかと思います

なにはともあれ心配事が一つ減りホットしました。
しかし、今回の「中間検査」は現場に第三者の目が入る「意義深い検査」だったような気がします…

住宅は構造計算されてない?

上記内容をお読みになり構造計算ってその担当の設計者がやるんじゃないの?と思われたかたもいると思いますので補足説明を少々…
結論から言いますと通常「構造計算(許容応力度計算)」は「建築士(一級・二級問わず)」でも住宅の意匠設計をメインでやっている人はあまりやらないのが現実です(※まれにやる人もいますが…)
やっても許容応力度計算ではなく壁量計算・N値計算・四分割法やスパン表を利用しての構造検討でしょうか?
ハウスメーカーなんかは独自の型式認定とってたりしますし…
じゃあだれがやってんのかと言うと、基本プランができたら専門の構造設計士に外注する場合が多いです。

検査員の方に「自分でやってるの?」と驚かれるのはそのためですが…
正直、通常は工務店がそこまで手を伸ばすと業務過多で他に支障が出てきてしまうのです…
設計を行わず、施工だけを請け負うスタイルの業務体制ならもう少し棟数をこなさないとビジネスとして成り立ちません。
斉藤工匠店が年間1ー2棟しか作れないのはこのため。
ですが一つの建物を深ーく設計・管理することができ、イイモノを世に残したいという思いでポツポツやらせていただいてます…

「空飛ぶタイヤ」じゃないですが、”責任逃れ”を考えてしまうのは、どこかでラインを引いて「ココから先は自分の責任ではないゾーン」を作ってしまうから。
「そんなに手を広げると大変じゃない?」と言われそうですが…
もしかしたら自分がそういう「性分」なだけなのかもしれません

…と偉そうに書き進めてまいりましたが、あくまで個人的に感じている見解でして、もしかしたら偏った考え方なのかもしれませんし、自分もマダマダ…
今後も「チャレンジ精神」を忘れずさらに飛躍していけるよう、一棟一棟じっくり向き合うこのスタイルで行きたいと思います




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