本文へ移動

TVはリビングに必要?

2022-4-17

族団らんの時間はTVと共にあるように思う。
年末年始の特番などの時には顕著にそう思うのだが…
近年、若者のTV離れが進んでいるらしい
Youtube等の動画サイト、インスタグラムツイッター等のSNS
ネット通信環境が整った現代においては、TVを見てなくて”困った”ということがないのかもしれない
幸いにも、建築作品の視点で考えるとTVは無い方が好ましい。
TVを置くと家電特有の存在感が主張してしまい、こちらが見せたかった自然素材のテクスチャが負けてしまう
エアコンも上部画像のように縦格子やルーバー等で覆い隠そうとするのは、生活感のでる家電を目立たせたくないからだ。
しかしTVは鑑賞するためのモノ。その液晶画面を隠す訳にはいかない…
黒いTVなら、背面を黒い仕上げとしてその存在感を弱めるなどの細工をする場合もあるが、その存在自体が無いに越したことはない。

今までは店舗や別荘ならTVを無くす選択肢も有りえただろうが、住宅のリビングからTVを無くすという選択肢は皆無だったように思う。
しかし、これだけTV離れが進んだ時代
住宅のリビングも思い切ってTVを置かないという選択肢はないだろうか?

こちらTV設置予定だった階段下を坪庭としてみた案
内部の木窓も設置することで裏の階段室からも光と風を感じることのできる計画、空間全体に潤いを感じられるのは私だけだろうか?
こちらはTVを設置する場合の案
階段下に設置するもスタンド式で移動でき、色をホワイトにすることで家電感を抑え空間に馴染ませようとした。
しかし、ブルーレイレコーダー等、周辺機器置場の問題を解決しようとするとTVボードか造作家具を設置することとなる。





今回の物件には別フロアに家族団らんの場があり、そこにTVもある。
そのため当該リノベーションで出来る空間には別の機能を持たせようと考えた結果「TVを無くす」という選択肢が見えてきた。
TVがないことで視的情報が少なくなり、五感で寛げる空間となる。
お茶やコーヒーも美味しく感じるかもしれない。
そんなことを考え提案した坪庭案だが、現実的には”やはりTVも置けるように”ということで配線はしておくことになった。
生活ありきで考えれば当然の結果だろう。
今はよくても、生活スタイルが変化すればTVが必要になるときが来るかもしれない。
結果としてどっちつかずの結論に至ったが、今回「TVのないリビング」の魅力を考えることができ、今後のリビングのあり方について深堀できたことはとても意義深いものであったように思う

TOPへ戻る