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理想のキッチンとは?

2022-9-26

ッチンを皆で使うのは難しい。
年代が違えば食べるモノの好み・味付けが異なるし、趣味・思考により使い方は実に様々だ。
さらに言えば、調理器具や鍋・フライパン等の収納場所、スパイスや油などの置場所など考えればきりがない。

私も一人暮らしの経験があるので必要であれば料理する場合もあるが、最近は余計なことをしないようにしている…
それでも毎日コーヒーは淹れるので、サーバーやドリッパーを洗い乾かしておくと「あれ?どこいったかな?」となってしまうことも少なくない。
奥さんが気を使い片付けてくれるのだが、自分のおきたい場所と違うためなぜここに?となってしまう。
ごくごく小さなことだが、こういうことの積み重ねでキッチンへの不満が出てくるのだ。

「大量にしまえて使いやすい。」建築家 中村 好文氏が設計するキッチンは料理を楽しくする仕掛けが満載だ。
vol270号のCasa BRUTUS
偶然手にした今月発売のCasa BRUTUSには同設計者のキッチン事例が紹介されていた。
「どこに指をかけてもよい手掛け」「ナナメの調味料収納」などラフに使える実用的なキッチン。
チークの天板など味わいが増し、使うのが楽しくなりそうである。
詳しい内容は是非本書を手に取っていただきたいが、料理を楽しくするキッチンの奥深さを考えさせられた。
キッチンはただ料理をするだけの場ではない。
コミュニケーションのとれるキッチンこそ重要で、一緒に作って食べて笑って話せることは人の幸せだと認識できる。
まるで「一人できれいに使うより、皆で料理して食べた方が楽しいよ」と言われているようだった…

住まいの本質がキッチンの使い方で変わるし、住み手の使い方によりキッチンの理想の形は変化する。
だから難しいし、ましてや多世代で使用するとゴチャゴチャになってしまう。
だからこそ、大量の収納が使いやすく、ラフに使ってもへこたれないキッチンが必要。
設計者が自信をもってそういうキッチンを提案するべきなのかもしれない…
↑こちらはリノベ案件に使用された二型キッチン。
作業台スペースが幅広く多用途に使える。
↑こちらもリノベ案件。
大空間を仕切るのに有効なL型キッチン
I型に比較し収納量が多く複数人でも使用しやすい。

何よりキッチンは家の中心
家族が集い、談笑がはずむ場
キッチンが楽しい家は家全体が明るく、家族が幸せな気がする。

皆が使いやすいキッチンがあればコミュニケーションが不足しがちな現代の社会問題も改善するとは言い過ぎだろうか?
難しい課題と思うが一つ建築を通して出来ること。
皆でガンガンに使い込んでもへこたれず愛着の持てるキッチン設計を目指したい。
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