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白い模型

2022-11-29

っかり作ることの少なくなった白い模型。
個人的な見解ではあるが、その理由は三次元CADやVRの普及があげられるだろうか?
製作費も少なからずかかってしまうため、久しくお目にかかってなかったのだが…

先日、注文者さんが自ら製作された模型を見せていただいた。
開口部を切り抜かれているだけじゃなく、ドアの開閉も可能。
平面図の縮尺と同寸法で精巧に制作されたこの模型は、大黒柱の丸太柱の反りまでそっくりに作られている。
「多くに気づくことができて意義深かった」と語る注文者さん。
実は建築学部の出身で模型製作はお手のものなのだ。
作り終えたその表情はとてもうれしそうで、出来上がる建物への期待感に満ち溢れていた。




そういえばちょっと前に、「真っ白な模型って良くないですか?」と言われたことがあった。
真っ白いからこそ想像を掻き立てられるのだろうか?
確かに白い模型は「良い。」

それは考えるべき素材や色などの”余白”が残されているからかもしれない。
影の出来具合から内装材のテクスチャを想像し選定したり、窓から何が見えるのか(逆に何が見えないのか)も考えられる。

今では三次元CADを利用し、素材感や色合わせなどはリアルに検討することが容易になった。
しかし”白い模型”を作って見て感じる事では、別の何かが得られるような気がする。

建物の持つポテンシャルを確認する意味でも、白い模型での検討は重要であることを今回改めて気づかされたのだ。
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