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職人さんの気持ち

2024-2-23
準仕様とされる公共建築工事標準仕様書。
一つの指針として民間工事でも役立つツールである。
今回下地処理について多少疑問な点があったので手にとってみた。
現場が進行し、仕上げの一歩手前まで来ると行われる下地処理。
単純にみえて業種や仕上げにより考え方も異なる。
仕上げに関わる部分のため、いかに綺麗に仕上げられるか?が一番大切なことだ。
大工さんの手で施されるのはボード張りまで。(無垢板仕上げは除く)
その後仕上げにより内装屋さん、塗装屋さん、左官屋さんなどにより下地処理が施されることになる。
この下地処理には公共建築工事標準仕様書によると、ボードジョイント部分やひび割れを誘発しそうな部分にはガラス繊維ネット等(ファイバーネットまたは寒冷紗ともいう)を伏せこむのが標準とされている。
ボードのジョイント部分には当たり前に施工されるこのファイバーテープ。
仕上げにより問題となるのが壁と天井の取り合いの入隅部分及び壁と壁の取り合いの入隅部分だ。
張ってもパテ処理時にスクレーパーで切れてしまい本来のひび割れ防止の意味がなくなってしまう。
また、切れてしまったファイバーテープは波を打ち仕上げに凹凸が…
ある程度厚みのある仕上げならパテ処理で平滑に均すことが可能だが、塗料などの薄塗材ではごまかしがきかない。
そのため薄い仕上げの場合の入隅部分にはできるだけファイバーテープを張りたくないというのが現場施工する職人さんの本音である。

また、建物の仕上げは下地材の乾燥収縮や地震等の影響により動くもの。
そう認識し、割れた後アフターケアしやすいように…
場合によっては標準仕様よりも職人さんの経験の方が後々のことを考えてくれているのだ。

現場を見て、現場で話し合う。
そうして意図が分かれば腑に落ちる。
標準仕様を参考にするのも大切なことだが、建築現場は結局人の手で造られる。
職人さんの気持ちにも寄り添い、お互いに理解して現場運営していくことが気持ちのよい仕事に繋がり、結果として建築物の品質を保つことになるのだ。
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