ゴッホの椅子　[二本松の工務店　齋藤工匠店]

2025-1-3

ゴッホの椅子　という本を買った。

書店で手に取りパラパラめくっていると細やかな寸法図や作成手順書まで載っていて、すぐにでも作りたい衝動に駆られたからだ。

正直、何か本を探していたわけでもなかった。

そもそも書店に訪れていた目的は、店の撮影。

そう、ウチが実施設計・施工で携わった[はなみずき書店]である。

2024年12月25日開店直後、イキイキとした店主の表情を是非写真に残したいと思っての撮影だった。

とはいえ自分で撮影するわけではなく写真家さんにお任せするわけだが、邪魔にならないようパラパラと本を見せていただいていた。

そこで見つけたのが「ゴッホの椅子」だったというわけだ。

photo:YY

近年、本の購入といえば検索してオンラインを利用することが多くなった。

確かに購入すべき本が明確になっている場合は、手軽に手に入り便利だ。

しかし、久しぶりに何も考えずパラパラと手に取った本に魅了され、思わず購入した。

こんな感覚は一体いつぶりだろうか？

それは、古着屋で自分だけのアタリを見つける感覚に近い。

情報過多で整理にも苦労する時代。いつの間にか余計な情報を手に取ろうとはしなくなっていた。

しかし今回、何も考えず開いてみた本がきっかけで椅子の創作意欲を掻き立てている。

今後、自分の器を広げる可能性になり得るかどうか？は［ゴッホの椅子］を制作する自分次第だが、この高揚感を与えてくれた書店での偶然を大切にしたい。