突然ですが…
建築士法ができたのはいつかご存じでしょうか?
昭和25年5月24日
この法律ができてから一定規模の大きさの建物は「建築士」が設計しなければならないことになりました。
ではこの法律ができる以前は建物はなかったのでしょうか?
そんなことはありませんよね…
では誰が「設計」していたのでしょうか?
大規模な建物はそれなりの実績のある方が担当していたと思いますが…
住宅規模では実は ほぼ「大工」が設計していたといわれています。
現に弊社の一代目 齋藤 福松 二代目 齋藤 甚作は「手板」に柱、桁、土台の位置を記し、構造や間取りを決めていた痕跡があります。
三代目 齋藤 守は 建築士法ができ、間もなく二級建築士を取得しますが、それまではやはり”手板”などで部位を記し設計をしておりました。
←こちらは三代目 齋藤 守の二級建築士免許証
当時難関とされた国家資格だが建築士法ができ間もなく取得している
建築士法ができてから、もともとは大工が行っていた設計業務は「建築士」が行うものとなり、いわゆる設計業務は大工の仕事ではなくなってしまいました。
これには時を同じく制定された建築基準法も大きく影響しています。
高さ制限や用途地域による法令上の規則、構造や防火の規定や建築確認にて確認を行う事項が事細かに制定されたのです
そしてこれらの設計図書は「建築士」でなければ作成することができなくなりました。
法令や条例を守ることで建物を建てるときは周辺との調和や秩序が乱されることなく、良好な市街地の建設されていくようになったのだと思いますが…
現代において問題と思われるのは、この「建築士」を取得してしまうと、設計はもちろん”なんでもできる技術者”だと思われてしまうこと…
建築士法に基ずく試験に合格すれば立派に「建築士」
設計図書の作成及び現場監理を業務とするわけなのですが、現場での大工作業がこなせるわけではないのです。
設計者と大工が分かれるとそれぞれの業務に集中できる反面、両者の思いが錯誤してしまう時があるのも事実だと思います。
設計者は法律やデザイン性を優先して考える。
施工者は施工性やアフターメンテナンスのしやすさを優先して考える。
皆が皆そうではないと思いますが、経験上そうなりがちです。
だったら大工が「建築士」となり、または設計者が「大工」となり、昔のように棟梁が一貫して造り上げるのが一番品質の良い建物ができると考え、実践しております。
よく同業者の方から大変じゃないですか?と言われたりしますが、お客様の要望が現場に反映されやすく、建物を造り上げる意識が向上し、品質管理の面からも有効と感じております。
特に上棟時や建物を引き渡した時の達成感はたまらないものがあります。
分業化してしまうと、「ここからは自分の責任じゃないから…」なんて思いが出てきてしまいますが、”全部見る”となるとそうはいきません。
そんなこだわりや信念をもって建物を造らせてもらえることに喜びを感じるものなのです
大工のプレゼンと品質管理
大工さんに設計?
なんか手書きの図面じゃないの?
分かりにくくない?
なんて心配はご無用です
弊社は3次元CADを導入し3Dパースによる立体的な表現で説明をおこなっており、広さや感覚的な大きさの確認もVRを通して体感いただけますので、イメージ通りに仕上げることが可能です。
また、設計は一級建築士が
現場管理は一級建築施工管理技士が
現場施工は一級建築大工技能士が
それぞれ国家資格保有者が統括管理しており品質確保に努めております。
大工はもともと構造に強い
大工が設計する場合、最優先で考えるのは梁のかけ方、柱の位置…
そう、構造体です。
どんなにかっこいいデザインでも壊れてしまっては意味がない。
それも数年、数十年、数百年先を見据え安全であるよう考えるのが大工の設計
チカラの流れがわかるから大工の感覚も意外と大事
されど抜かりなく…しっかり一棟一棟 構造計算し安全性を確認
仕口や継手にこだわり”木割”出来るのも醍醐味ですね
大工の設計は自由度が高い
斉藤工匠店にまかせると和風住宅になってしまう?
そんなイメージをお持ちの方は誠にありがとうございます。
そもそも神社仏閣から純和風建築を得意としてきた歴史がございますので、イメージの通りでございます。
ですが、もちろん和風だけを作っているわけではございません
最新の建築作品を見ていただければわかる通り、モダンな建築も得意としており、自由な設計で自由な間取りに高いデザイン性を意識しております
大工技術があればより自由に、プレカットでは不可能なんてことも可能にしてしまうのです。